杉原記念館

ジャリャカルニスにあるユワザス・ミルヴィーダス設計のリトアニア共和国教育大臣ユワザス・トンクーナスのビラに、日出る国の公館がありました。領事館は、建物の完成間もない1939年に設置されました。領事の杉原千畝は、ポーランドのシークレットサービスやリトアニア外交官のサポートを受けて、また、オランダ領事であるヤン・ツヴァルテンディックと協力して、さらに重要なことは、日本国政府の指示に背いて、ここで偉業を開始しました。

現在、世界中でも知られている日本とリトアニアの友好樹立の歴史は、1940年の夏に始まりました。当時、領事就任間もないJ.ツヴァルテンディックに、ポーランドのユダヤ人難民が接触してきました。カリブ海のキュラソー島に行くビザの発給に同意した彼は、このような長い旅路には通過ビザが必要になるため、日本国領事に連絡を取りました。

杉原は、長くは考えず、協力に同意し、領事官の自分のデスクで、彼を訪ねてきたユダヤ人たちに、2139通の通過ビザを発給しました。政府の命令で領事館を閉鎖した後も、メトロポリスホテルに滞在しながらビザを書き、リトアニア出発の直前までそれを続けました。J.ツヴァルテンディックは、約2500通の目的地のビザを発給し、こうして、彼らは、6千～1万人の命を救ったと考えられています（1通のビザで家族全員に有効でした）。

建物の正面玄関は、ヴァイジュガント通りに面して設計され、それは、カウナスの戦間期のビラに見られる典型的な造りでした。領事館は半地下階に設置され、1階には杉原が家族と住んでいました。ところで、彼の息子の一人は、カウナスのP.マジーリス病院で生まれました。西側の傾斜には広い庭が造られ、建物から見える町の眺望は素晴らしいものでした。

現在、建物には、杉原や正義の人たちの功績を記念する博物館が設置されており、それを運営しているのは、「命の外交官」基金です。

杉原記念館は、日本とリトアニア、そしてイスラエルとリトアニアの関係にとって重要な場所です。建物の前には、日本から運ばれてきた桜の木が植えられています。2017年、「杉原ウィーク」の開催中、日本の「塗魂インターナショナル」によって結成されたボランティアチームがカウナスを訪問し、建物の外壁を塗り直しました。2018年、日本の安倍晋三首相が、リトアニア初公式訪問の際に、記念館を訪問しています。